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今日も平戸で庭ぐらし 鉄川与助の大工道具
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    とても興味深いご本が出版されました。

     

    「鉄川与助の大工道具」

    長崎文献社刊

    山田由香里著

    2400円(+税)

     

    鉄川与助は、長崎県五島出身の大工さん。

    生涯仏教徒でしたが、たくさんの教会を作ったことで知られています。

    「天草と長崎の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産となっている集落にも数多くの鉄川与助が作った教会や施設が残されているばかりでなく、平戸市内においてもカトリック田平教会、カトリック紐差教会は、世界遺産の構成資産にはなっていないものの、美しい教会として多くの人々が訪れる観光スポットとなっています。

     

    この美しい教会堂の魅力は、どのようにして作られたのだろう?

    その理由を大工道具という視点で探ったのがこの本です。

     

    著者の山田由香里さんは、平戸市役所で文化財のお仕事を5年間勤められ、平戸の町並みの調査、平戸オランダ商館復元プロジェクトなどに携わりました。

    我が家の改修工事についても大変お世話になった方です。

    その後、岐阜県各務原市役所に移られ、現在は、長崎総合科学大学工学部建築学コース教授。

    2人のチビちゃんを絶賛子育て中。

     

    大学で教え、子育てをし、多分ご飯を作り掃除洗濯をして、本を書いて。

    大変だったと思います。

    でも出来上がった本の美しいこと!

    最近は、以前のように頻繁にお目にかかることはないけれど、お目にかからない間にこんな偉業を成し遂げていたとは。

    読んでいて、ちょと涙が出てきました。

     

    図や、写真が多く、文章は簡潔でとても読みやすい本です。

    実は、この本の文章は、1つ1つがとても短く、1つの文章で伝えることは1つ、と決めて書かれているよう。

    1つの文の短さは、意味の取り違いを起こしにくいし、あれ?主語は何だっけ、ということも無く。

    始めは、そっけないようにも思われた文章は、読んでいくうちに水のように抵抗なく理解につながり。

    一方で、その短い文に、書き手の温かな思いが盛り込まれていたりして、最後まで読んでいる時間をとても楽しめたのでした。

     

    建築に特に興味が無い方でも、教会の内部装飾がきれいだなァと思う人々にお勧めの1冊です。

    精巧な装飾が作られたのは、優れた道具があって実現できたことがよくわかると同時に、それまでに日本に無かった道具を受け入れ使いこなした大工さん達の「職人魂」の物語でもあり。

    そして、その当時の大工道具の復元まで話しは広がります。

     

     

     

    さて、大工があるなら小工もあるの?

    聞きかじり、なのですが。

    「工」というのは今でいう技術者のことで「たくみ」と読んだらしい。

    「大工」は、「おおきたくみ」と読み技術者集団の上に立つ人。

    「小工」は、「すくなたくみ」と読み、「大工」の下に位置し、統率される立場の人たちだったのだって。

    「大工」という言葉が今使われている「大工さん」の意味となるのは、江戸の後期になってから。

    そんな話を、だれかから聞いて書きとめておいたのを今、引っ張り出してきて書いています。

    調べてみたら、大工さんが今と同じような意味になったのが江戸後期、というところがちょと怪しげ。

    どなたか詳しい方、訂正がありましたら、教えて下さりませ。

     

     

    | 日記 | 18:12 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
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      | - | 18:12 | - | - | pookmark |
      コメント
      淳子様

      ご紹介に深く感謝します。

      大工と小工の話、ほぼその通りです。
      鉄川与助も、20代の頃に小工として
      棟札に名前が残っています。
      この場合は「しょうく」と読みます。
      はっきりと小工を使わなくなるの、
      戦後ではないでしょうか。
      現在のように大工と現場監督が分かれる
      ようになってからだと思います。

      今だと大工は大工さんのイメージですが、
      他の左官や木挽でもリーダーを大工と
      呼んでいた時代もあります。
      このときは「おおきたくみ」の読み方が
      ぴったりきますね。

      本が出るまでは本当に苦しかったですが、
      出てみて広がる世界は、すばらしいものが
      ありました。視界が晴れわたるような、
      そんな感覚があります。
      一文が簡潔は意識していませんでした。
      おそらく、恩師の教えと、少しずつ発表
      した論文が元になっているからだと思います。

      淳子さんの、文章を書いたら送ってねという
      言葉が大きな支えになりました。
      本当にありがとうございました。
      | 絶賛子育て中 | 2018/11/14 6:26 AM |
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